“ハラワタ煮えくり返る、
ボクシングをやめてしまえ!”
凄い罵声で会長が怒っている。選手はただ無言でサンドバックを打ち続けている。
私は申し訳ない気持ちでその場に立っていた。
出稽古に上野君を連れて行ったのですが約束の時間を過ぎてしまい家住君を待たせてしまった。風邪気味っぽく目が潤んでいたのが気になっていたのですが、6ラウンドのスパを引き受けてくれました。調子悪いのか3Rぐらいから、ガタット手数が減りスピード」が落ちてトレーナー、会長が怒っていた。
上野君もいつものチャンピオンでないので、コナーに戻ってくると“体調悪いみたいです”と気にしていた。
“気持ちが弱いから”と会長は私に話してくれたけど、何故か気の毒になってしまった。
それから10日後。
東洋太平洋ライトフライ級王座統一12回戦でリングに上がっている家住君にスター選手の持つオーラが凄く出ていたので、強いモチベーションをきちんと持ち合わせてきている調整の上手さに感心してしまった。勿論勝ってベルトを肩にかけヒーローインタビューをうけていましたよ。
1998年デビュー。永田君と同じ頃だし、新人王のポスターに2人の顔写真が写っている。
これからもまだまだ強いボクシングを磨いていって欲しいなぁ。
本多ジムの選手達、自分に厳しくしていますか?